今回は、福岡県糸島市にある、知る人ぞ知るポイントの「加布里港(かふりこう / 加布里漁港)」を解説します!
糸島半島の釣り場といえば、足場が良くて広大な「船越漁港」や、潮通し抜群の「野北漁港」がメジャーですね。
そのため、加布里港は「あそこは水深が浅いから…」とスルーされがちな、少し地味な釣り場かもしれません。
実は加布里港、地形の特性と潮回りをしっかりと理解して挑めば、チヌ(クロダイ)の数釣りが楽しめたり、秋にはアジングやコウイカで大爆釣したりする、「穴場」ポイントです。
背後にそびえる“糸島富士”こと「可也山(かやさん)」を望む抜群のロケーションも魅力の一つ。
今回は、私が実際に加布里港へ現地取材してきた情報をもとに、「リアルな釣り場の状況」と「浅場(シャロー)攻略の秘訣」を初心者にも分かりやすくお届けします!

▲加布里港から望む美しい可也山。穏やかな船越湾の奥に位置する、のどかな漁港です。
加布里港の最大の特徴:干潮時は底が見える「超シャローエリア」
加布里港を攻略する上で、絶対に頭に入れておかなければならない最大の特徴、それは「水深の浅さ(シャロー)」です。
玄界灘に面してはいるものの、湾の奥深くに位置しているため、大潮の干潮時ともなると海底の砂泥地が完全に露出してしまうほどの浅さになります。そのため、「いつでも手軽に釣れるファミリースポット」という言葉を鵜呑みにして干潮時に行くと、釣る場所がなくて絶望することになります(笑)。
逆に言えば、「満潮前後のタイミング」さえ狙えば、遮るもののない遠浅の海にベイト(エサとなる小魚やカニ)を求めて、驚くほど大型のチヌやスズキ、アジの群れがドッと押し寄せてくるのです。このメリハリの効いた環境こそが、加布里港の面白さです。
加布里港のメイン釣り座:3つの攻略エリア
加布里港の主な釣り場は、西側から伸びる防波堤エリアと、港内の護岸、そして隣接するサーフ(砂浜)に分かれます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
① 赤灯台防波堤:大物&回遊魚の一等地
港の西側から外海に向かって伸びている、先端に「赤灯台」がある大きな防波堤です。ここが加布里港の一等地となります。
- 波止の先端部(赤灯台まわり):防波堤の先端付近まで行くと、船の通り道(船道)になっているため、港内の中では比較的しっかりと水深が確保されています。潮通しも良いため、アジング(ルアーでアジを狙う釣り)や、エギングでのコウイカ・ミズイカ(アオリイカ)狙いの釣り人が真っ先に陣取る人気スポットです。
- 波止の外側(西向き):遮るもののない船越湾に向かって投げる形になります。海底は基本的に砂地のため根掛かりが少なく、ウキフカセ釣りでのチヌ・メイタ(チヌの幼魚)狙いや、ルアーでのシーバス(スズキ)狙いに最適です。

▲人気の赤灯台ポイント。先端付近は水深があり、夜釣りでの常夜灯まわりはアジの好ポイントになります。
② 湾内二段式護岸&桟橋:ファミリー・初心者向けの安全エリア
防波堤の内側(港内)は、階段で行き来ができる「二段式」の護岸になっています。足場が非常に平坦で広いため、小さなお子様連れのファミリーフィッシングにはここが良いです!
満潮時になると、この足元までアジゴ(アジの幼魚)やサヨリ、ハゼの群れが入ってきます。
短いのべ竿にサビキ仕掛けを落とすだけで簡単に釣れるため、釣りの入門にぴったりです。
また、港内に浮いている桟橋の橋脚まわりには、アラカブ(カサゴ)やメバルといった根魚が潜んでいることもあるので、ワームで足元を突いてみるのも面白いですよ。

▲湾内の二段になった護岸。足場がよく、釣りがしやすい。
③ 加布里海岸(サーフ):キスやマゴチを狙える隠れスポット
漁港の南側に隣接しているのが、美しい砂浜が広がる「加布里海岸」です。
ここでは本格的な長い投げ竿を使った「シロギス」釣りが楽しめます。
初夏から秋にかけては、波打ち際までキスが寄ってくるため、チョイ投げでも十分にキス天サイズが上がります。
また、キスを捕食しにくるマゴチやヒラメといったフラットフィッシュをルアーで狙うアングラーにも人気のエリアです。

▲南側のサーフ。遠投キス釣りに良いポイント。
加布里港で釣れる魚種とベストシーズン
水深の浅い加布里港ですが、季節ごとに魅力的なターゲットが入れ替わります。釣行の目安にしてください。
| 季節 | メインターゲット | おすすめの釣り方・コツ |
|---|---|---|
| 春(3月〜5月) | チヌ(乗っ込み)、メバル、コウイカ | 産卵のために浅場に入る「乗っ込みチヌ」をウキフカセで。コウイカはエギを底でズル引き。 |
| 夏(6月〜8月) | アジ、シロギス、ハゼ、サよリ | 夕マズメ(日没前後)のサビキ釣りが超高実績!海岸側でのキス投げ釣りも最盛期です。 |
| 秋(9月〜11月) | アジ(良型)、ミズイカ、ハゼ、シーバス | アジングが最も熱い季節。赤灯台周辺の夜釣りで20cmオーバーのアジが狙えます。 |
| 冬(12月〜2月) | カレイ、メバル、シーバス | 全体的に魚影は薄くなりますが、投げ釣りでのカレイ、夜のメバリング(ワーム釣り)が楽しめます。 |
加布里港を攻略する2つの鉄則
水深の浅い加布里港で「ボウズ(1匹も釣れないこと)」を回避し、釣れるための具体的なテクニックを教えます。
鉄則1:「満潮の前後2時間」だけを集中的に狙う
前述の通り、干潮時は釣りになりません。
最も釣果が期待できるのは、潮が勢いよく満ちてくる「上げ七分から満潮(潮が満ちる途中のベストタイミング)」、そして満潮からの「下げ始めとなる下げ三分」の計約4時間です。
潮が満ちてくると、干上がっていた浅場にカニやゴカイ、小魚が一気に飛び出してきます。
それまで沖の深場にいたチヌやアジ、シーバスがシャローエリアまで一気に差して(入って)きます。釣行前に必ずタイドグラフをチェックし、満潮の時間に合わせてエントリーしてください。
鉄則2:濁りが出たら「チヌのトップゲーム(チニング)」!
加布里港は海底が砂泥のため、風が吹いたり雨が降ったりすると適度な「濁り」が発生します。
実はこれが大チャンス。警戒心の強いチヌの目が眩み、ルアーやエサへの反応が良くなります。
特に夏場、満潮が朝マズメ(日の出前後)と重なり、適度な濁りがある日は、水面をルアーで引く「トップウォーターゲーム」が激熱!
水深が浅いため、チヌがルアーを猛烈に追いかけて水面を割るエキサイティングで大興奮の釣りが楽しめますよ!

▲港外の足場。暴風フェンスがあるが足場が良い。濁りが入ったタイミングで浅場まで良型のチヌが寄ってきます。
加布里港の釣り場写真
※写真はクリックすると拡大表示されます。

▲赤灯台からのパノラマ写真

▲波止の根元からのパノラマ写真
まとめ:タイミングを合わせて、糸島の隠れた実力派フィールドへ!
糸島市「加布里港」は、一見すると水深が浅くて釣りづらそうに見えますが、【満潮狙い】【適度な濁り】という条件さえ揃えば、しっかりと釣果を叩き出すハイポテンシャルな釣り場です。
足場が良く、釣具店が隣接しているため、1日の釣行としての満足度は糸島エリアでもトップクラスと言えます。
最後に大切なお願いです。加布里港は漁業関係者の方々が毎日大切な仕事をされている場所です。
近年、ゴミの放置や違法駐車が問題視されています。
これからもこの素晴らしい釣り場を守るために、「ゴミは100%持ち帰る」「船や網などの漁具には絶対に触れない・近付かない」というマナーを徹底し、大自然の釣りを思いっきり楽しみましょう!

▲港に設置された看板。タコやアサリなどは漁業権がありますので、決して獲ってはいけません。





